クリーニング品質総合研究会

品質管理の手引き

最近、汚染布を購入された方がテスト条件を誤っていたと云って再購入されました。

クリーニング師の有資格者は試験の際に一通りの講習を受けて試験に合格しているはずであり、3年の一度の講習も義務付けられていますが、これらの講習は理論に重点が置かれ、実践にはやはり万全とは言えないでしょう。

 当会が品質テストをお勧めするのも、実践で良好な結果を出せえることを求めています。

 そのためには、折角取り組もうと当会に声をお掛け頂く方々に、ここでもう一度基本からご理解頂くための解説が必要であることを痛感しています。

つきましては解説欄でミニ講座を開設することにします。その第1回目として今回は「ランドリーの洗浄効果に関わる条件」に付いて解説させて頂きます。また、品質テストに関する当会の姿勢を品質管理に手引きとして紹介いたします。

まず、品質テストが必要であることを認識し、ご自分で取り組みやすい方法を学んだ上でテストの挑戦してみて下さい。

 

色々な品質テスト法

当会で作成したテストセットは洗浄力、逆汚染性のほかに、機械力、寸法変化、風合変化なども見ることができますが、価格が高く、もっと安易な方法はないかという方もおいででしょう。

一発でクリアしたいから、経費節減の予備テストを・・・と思われる方もおいででしょう。

➀ そんな方には、ばら売りの汚染布購入をお勧めします。洗濯物やネットに取付けたり外したり、しなければなりませんが、経費は抑えられます。

 洗い方によって汚染布の選択は慎重にする必要がある(ランドリーには湿式汚染布、ドライクリーニングには標準汚染布等)ことも忘れないで下さい。汚染布は一般の洗濯物と同じ条件で処理することも忘れてはなりません。この辺のことはミニ講座を参考にして下さい。

⓶ ➀が目指す数値を達成できたら、他の試験に挑戦することもできます。各テストをクリアできれば、テストセットを買わなくても、それぞれのデータは蓄積されます。

 ただ、テストセットで行うテストとは大事なところが違います。

 同一条件と云っても、若干のバラツキがあり、同時に行った結果とは違う場合があります。手間暇もかかります。

③ できれば最終的にはテストセットを利用されることをお勧めします。

 テストセットは、台布にすべての試験用布が取り付けられているため、ワッシャーにそのまま投入することができます。そして、常に、同条件でテストに望めますので、他の機種、1年後のデータ、洗剤やプログラムの違いが比較できることがメリットです。即ち、自社の処理能力を把握することができるのです。

 

 クリーニングに限らず、本来、仕事にはすべて目的を達成できたか否かの確認が必要なのです。

 それを怠ると大きな失敗を招くことがあります。

 クリーニングはしくじっても、人命にかかわることはなく”確認より、価格が安い方が良い”というお客様もいるでしょう。しかし、この思惑が品質低下を招き、業種の軽視に繋がるのです。

皆さん、品質テストを定期的に行いましょう。

④ テストをする必要性は分かったが「1回やったらそれで良いではないか」と思いますか?

 仕事に追われると、機械設備の故障その他でいつものように稼働していないことがあります。確認テストは定期的に行うのです。うっかり忘れることのない様、この程、定期契約制度を設けました 。

期日とテスト試料数を契約しておき、定期的にテストを行うことで、予算化し定着すること、そして年間売り上げのに対してテスト費が少額でありながら、安定した品質が保たれる配慮が証明されるはずです。

 

  

 


当会のオリジナルテストセットの解説

当会はクリーニングの品質向上を目的に設立した研究会です。

 

会員が自主的に自社のクリーニング品質についてオリジナルのテスト布を使用して確認し、自信を持ってお客様に利用して頂いております。

左の写真はドライクリーニングの品質を確認するテスト布でスが、ランドリー用のテスト布も用意してあります。

 

また、クリーニング品質向上、お客様に快適に利用して頂く手段に関する勉強会等を行い見聞を広めています。改正された取扱い表示で新たに仲間入りしたウェットクリーニングについては、品質テスト結果に基いて認定書を発行しております。認定者はまだまだ少ないのですが、少ない理由は試験の難しさにあります。

 

即ち、ウェットクリーニング対象品は機械処理を中心とした家庭洗濯が出来ない商品に対する水処理なので、表示を付けるに当って機械力(メカニカルアクション)の程度を評価基準にしており、その基準に叶った処理が出来なければならないのです。これが認定の理由のひとつですが、考え方を変えれば、過剰に弱い処理をしておけば事故の発生は予防できるのです。しかし、クリーニングが汚れを除去するための処理ですから、可能な限り汚れを除去しなければ、クリーニングを依頼した意味がありません。そのために当会の認定審査には洗浄性を含めており、機械力のみで評価する、認定制度の補遺に人気があると云う訳です。

 

残念ながら、現状は更に厳しく、認定試験に挑戦せずにウェットクリーニングを引き受ける業者の方が多いのが現状です。

従って、当会の認定を授与されたクリーニング業者は希少価値と云うことになります

 

今後も、普及活動を続けて行きますのでご期待ください。

普及活動には利用者の関心が何よりの励みです。

 

どうぞよろしくお願いします。