2016年12月1日より繊維製品に縫い付けられる品質表示法が改正されました。
2016年12月1日より繊維製品に縫い付けられる品質表示法が改正されました。
消費者のご意見を伺うと、「わかりにくい」「センスがない」などあまり良い評価に巡り合いません。
では、従来の表示はどうでしたか? 絵柄がわかりやすかった?
そうですよねー。じゃあ、なぜ変えたのでしょうか?
繊維製品品質表示法は何故変わったのか?
海外のブランド品を買ったことがある方、表示に戸惑ったことはありませんか?
何枚もの布片に、細かい文字がぎっしり。
どこを読んでよいのか、何が書いてあるのか、なぜこんなに何枚もあるのか?
…それはこの服を作ったメーカーが、自国ばかりでなく他言語の国でも販売しているため、販売先の言語でも表示しているからです。
日本の衣料品に表示を取り付けるようになったのは、戦後強くなった主婦の集団が、購入した衣服のをどう取り扱ったらよいかわからないことを不満に思い、要求したことから始まりました。従って、対象は日本人であり、日本の生活習慣にあった方法で表現すればよかったので、旧表示絵柄ができました。
グローバル社会に対応!
時代は変わって今やグローバル社会!全世界の商品が日本にもあふれる社会になりました。
前項のようなことの内容は、どこの国でも共通の表示が使用されたら単純化するのではないでしょうか?
それを目指した表示が改正表示なのです。
もち論、このための準備は数十年前から始めていました。
何しろ言語も、生活習慣も異なる百数十か国の意見をまとめるのですからおいそれとは、はかどりません。
代表者が意見交換をし、素案を作った後各国に配布し、国内で討議した結果、示された改善点を調整するという方法を繰り返し、最終案がまとまったのが2014年。それを各国の担当者が自国に持ち帰り現行の表示法との整合性を図り、最終的にまとまったところで、正式な導入となり、法改正がスタートする運びとなります。これが日本では2016年4月に公示、12月1日より施行となりました。
大多数の人間は、どこの国でも習慣を変えることは億劫で、今まで通りの慣れ親しんでいた表示に未練は残りましょうが、いずれ慣れなければならないのですから、早めに取り組んでしまいましょう。
新取扱い表示の記号
旧表示は洗濯機やアイロン、ハンガーなど絵が使用されていたため、絵表示と云いましたが、新しい表示は□、△、〇を使用するので単に「表示」と記します。この図柄は理由付けはありませんので無条件に覚えなければなりません。
すなわち下表左の図柄が主柄。
これに温度を現す数字や付加記号(ー・×)で構成したのが新しい表示なのです。
新しい表示は、
・指示表示から限界表示に変わったこと。
・商業クリーニングが仲間入りしたこと。
・酸素漂白剤が範疇に入ったこと。
・タンブラー乾燥が表示されるようになったこと。
表示の省略は最高の処理ができることを意味することなどが変更点で、慣れれば、使いやすい点も出てきていると思います。